さて今週は1963年の大ヒット、ピーター・ポール&マリー、PPMのPuffです。PPMは60年代のアメリカを代表するフォークグループです。ベトナム反戦のメッセージを全世界に送り出したり、あのマーティン・ルーサー・キング牧師の“I have a dream”の演説で有名なワシントン大行進のときにも彼らの曲であるハンマーソングが歌われました。アメリカの公民権運動やその他の社会的正義を主導する運動の第一線に立ち続けたグループです。
そしてこの曲、パフはセサミストリートのテーマを押しのけて、米国で堂々の子供に歌わせたい曲ナンバーワンです。内容が子供らしいだけでなく、文法に忠実であるというのが理由だそうです。
メンバーのピーターのコーネル大学の同級生が途中まで書いたまま埃をかぶっていた原作の詩をピーターが見出し、それを歌にしたものです。
日本でも、この曲に幼児期に親しんだ子とそうでない子の間では英語に対する親しみが違うというデータもあるそうです。ですから大人もこの曲に慣れ親しんでいると将来役に立つかもしれません。また日本でも日本語訳版が小学校の教科書に載っていて音楽の時間に歌われていたり、NHKの「おかあさんといっしょ」で使われたこともあるそうですよ。日本語版はいくつか存在するそうですのでのちほど紹介します。
日本語版が出回ってるから訳すのに腰が引けますけど、ジョージバージョンで訳しますね。
日本語訳の歌は、
「パフ 魔法の竜が暮らしてた 海に秋の霧 たなびくホナリー」
というおかあさんといっしょ、由紀さおりバージョンや、それによく似た
「パフ 魔法の竜が暮らしてた 低く秋の霧 たなびく入り江」
という小学校の教科書バージョンがあります。
子供から大人に成長していく過程を描く一方、大人になるにつれて子供のころのような想像力を失ってしまうことの寂しさをあらわしている歌だと思います。
この曲のメロディーは日本で育ったボクも子供のころに聞き覚えはありました。しかし歌詞は、アメリカで生まれた娘が幼稚園で習ってきて家で歌うのにつきあうためにはじめて覚えました。なんとなく聞いたことはあるのだけれど適当に流して聞いていたので歌詞はうろ覚えという歌をことごとく覚える羽目になりました。もちろん、セサミストリートの♪Sunny day, sweeping the clouds awayも覚えました。
クリスマスソングのレパートリーは讃美歌をはじめ、日本ではなじみのない曲をたくさん覚えました。年末クリスマスと同じころにユダヤ教ではハヌカという祝日があるのですが、ユダヤの歌も覚えました。この辺はまた年末になったら話題にしましょうね。
最近の日本の英語教育は小学校から始まっていて、4技能の習得という方向に舵取りをしていますから、お子さんが幼稚園や学校で英語の歌を覚えて帰ってくることも増えるんじゃないでしょうかね。そんなときにはお子さんと一緒にその歌を覚えて一緒に歌ったら楽しいと思いますよ。
大人になって忘れてしまった羽の生えた想像力が戻ってくるかもしれませんよ?